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ベースタウンの聖なる時季、もう一度あの頃へ


本日が義兄が投稿した小説を紹介させて頂きます。

 

沖縄マニア+クリスマスマニア

 

の義兄らしい素敵な物語に仕上がっています。

 

是非ご一読下さいませ~ 

 

 


【 一生の宝物 ー 幸也と過ごした高校時代の聖なる時季 】

ルキウスと言えば青い海と珊瑚礁ばかりが取り上げられて、毎年のことながら旅行各社が主催する夏の国内観光キャンペーンのメッカと化している。

主流のマリーンレジャー派の多くは、仲良し友達やカップルや家族連れ。最近は都会の喧騒にややお疲れ気味な現代人が増えたのか、南の楽園?に「癒し」とやらを求めて、初めは一人でフラッとやって来て、やがて長期滞在者となって、遂には移住を決意したりする人もいるそうな。

別に宣伝してもらいたいとは思わないけど、青い珊瑚礁の島の賑やかな夏が終り、やがて肌寒い季節を迎えクリスマスシーズンに突入すると、今度は素朴で美しいイルミネーションの島に様変わりすることは、一体どれだけの人が知っているのでしょうか?

生まれ故郷への愛着と長年培われた強い思い込みだけで、本当は何処の地域にもあるものに、本当は何の変哲も無いものに、勝手に一人で酔っているだけかもしれない・・・

だけど、この小さな基地の島ならではの、手作りで素朴な温かみに溢れるホーリーシーズンは私にとって、何か特別なものに思えてならない。



小さな島内の多くの家々がまるでクリスマスツリーを飾り付けるみたいに、屋根の線や雨避けの線や窓枠の線に沿って、色取り取りの豆電球を華やかに結びつけて点灯する。

デコレーションにうってつけの広い側壁がある家の場合は、サンタクロースや雪ダルマ君やトナカイさんなどの姿が浮かび上がって来るように、大小様々なカラー電球を配置して「光の作品」を幸せに輝かせる。

また、あの「クスノキの家」のように、自宅の庭に見栄えのする立派な木や、背は低くてもデコレーションの土台として適した形態の植物が植えられている場合は、それを利用しない手はない。

ただ、クスノキみたいな高木の場合は、未だ小さい頃は問題無いけど、成長すると大きくなり過ぎて枝分かれする位置が人間の背丈よりも遥か上になってしまって、この様な飾り付けには適さなくなって来るような気もするような・・・

そして、やはり「光の作品」のテーマを家族会議で毎年話し合って創意工夫を凝らしているのは、可愛い盛りの小さな子供たちのいる家庭がほとんどみたいかしら。

 

ベースタウンの聖なる時季、もう一度あの頃へ

 

 

作者:elnest lala

 

 



聖なるクリスマス・ナイト・ドライブ。
若い恋人達にとっては冬のデートの定番。 
まだ高校生の幸也と私は無免許運転だけど・・・

愛を語る若い恋人たちのお決まりの「ナイト・ドライブ・コース」は、まず広々としたベースの外人住宅錬のイルミネーションが見渡せるフェンスに沿って走り始めて、可愛いらしいトナカイさんやサンタさんを発見する度に停車しては車から降りて、手を繋いだり片を組んだり、とにかくイチャイチャしっぱなし。

暫くすれば否が応にも基地のクリスマスが醸し出す異国ムードに染められて、
二人の頭の中は完全にファンタジック! 

そして最後の締めは、有名な会社社長や芸術家や駐留軍の最高幹部などのセレブたちが住む、島内を一望に見渡せる高台に位置する高級外人住宅街、通称「スカイハイ」一帯でクライマックスを迎えるよう、男性側によって演出される。

一瞬、おとぎの国か遊園地にでも迷い込んだかのような錯覚を起こしかねないほど壮麗なイル
ミネーションには、若い恋人たちも圧倒されてしまいそう・・・ 
広い芝生の中に悠々と建てられた大きな一階建ての外人住宅に、明らかにプロの技術者が装飾を施している感じながら、とにかく立派。

幸せを運ぶ橇に乗って笑顔で手を振るサンタクロースが、相当な数のカラー電球を使って見事に描かれている。「ハッピークリスマス」や「メリークリスマス」の横文字も、まるで何処かのレストランチェーンの看板みたいに完璧な筆記体

おそらくスカイハイ一帯の管理事務所がイルミネーションの構想を企画して、個々の家の役割分担を決めて、住宅地全体として規格化された演出を図っているのでしょう。

明らかに、素人の手作りではなくて、
設計から施工まで全てプロの専門業者任せで・・・

無免許で捕まることなど一切気にせず、土曜の夜は深夜から早朝近くまで、幸也と二人分ペアで揃えた赤と白のサンタクロースの衣装を着て、サンタ帽子も被って、島中のイルミネーション・スポットを見て回って、最後に「今年の一番」を決定する。

もちろん、富豪たちがお金に物を言わせて作り出した高級外人住宅街の芸術的なデコレーションは圧倒的に別格。なので、多くの冬の恋人たちは「ベスト・スポット」として迷わず今年もスカイハイ一帯を挙げることでしょう・・・ 

でも幸也と私は、同じ世代のカップルとはかなり物事の趣向が違うみたい・・・ 
でも、そこが、
お互いに人生で初めて一線を越えて惹かれ合う男女の関係となった特別な要素なのかしら。



【 小さな家の小さな庭の、とっても大きなクスノキの不思議 】